閉校によせて
                                

〜新井小最後の走者として、令和小のバトンをつなぐ〜

 
 この春、新井小学校は81年間の歴史を閉じます。長きにわたり保護者の皆様、地域の皆様に愛され、支えられてきたことに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
 振り返ると、本校が開校した昭和13年は現在とは全く違う社会状況でした。国全体が戦争へ向けて進んでいる時代です。学校として学童疎開や戦災による校舎焼失という苦難の時代も経験しています。そして、平和な時代になった昭和22年4月より東京都中野区新井小学校として新たに出発しています。戦後の新しい時代に世界平和と文化の発展につくす教育を目指し進んできました。
 校歌の1番には次のようにあります。

  薬師の森を南に見  西につづける天神の
     岡のこなたにそびえ立つ  新井の町の小学校

新井の町は古くから新井薬師や北野神社に人々が集い、にぎやかな活気あふれる町でした。また、戦後には現在の中野通りが整備され、美しい桜並木もできました。この桜は新井小学校の子供たちは長く見守ってくれています。このように新井の町は豊かな自然に彩られ、人のやさしさやつながりを大切にする地域です。素晴らしい地域に支えられ学校も発展もつづけることができました。
 「新井の町の新井小学校」という言葉は長く新井小学校のモットーです。まさに地域と共に歩む学校です。新井小学校の伝統の取り組みのひとつに鼓笛の活動があります。5,6年生全員が参加し、力を合わせて演奏します。秋には交通安全の意識を高めるために交通安全パレードを行います。子どもたちが地域の一員として貢献している実感をもつことができる素晴らしい機会です。まだに「新井の町の小学校」の具体的な姿です。地域を愛する気持ちを高め、これからも地域の一員として新井の町で活躍できる人に育ってほしいと思います。
 令和2年(2020)は東京オリンピック・パラリンピックの開催年です。日本の歴史にとっても、子どもたち一人一人にとっても忘れられない年になるでしょう。その年の3月に新井小学校は81年間の歴史に幕を降ろします。長い歴史はそれぞれの時代の子どもたち、保護者・地域の皆さん、教職員が一生懸命に生きた歴史でもあります。それをリレーのバトンを受け継ぐようにつないできました。私たちは新井小学校の最後の走者として一度、ゴールをきりますが、次の令和小学校へバトンをつなぐ役割も担っています。長く新井小学校を支えていただいた全ての皆様に感謝を申し上げるとともに、新たにスタートする令和小学校も地域に愛され、誇りをもっていただける学校を目指してまいります。



令和2年3月
中野区立新井小学校 校長 杉渕 尚